目標管理とは

大学時代からの同性の友人たちと一年に一度くらい会います。
彼女たちとの話題は学生の頃の思い出話、知人の近況、仕事、世間で話題のことに終始し、結婚や出産の話は皆無に等しいです。
独身貴族を気取っているわけでも、がつがつしてはしたないわとお高く留まっているわけでも、羞恥でも遠慮でもなく、単に「興味が薄い」(≒そんな話友人に言ったところで)のです。
「20代後半になったらテレビドラマみたいな女性同士の会話ができると思ってた!」と数年前に笑いあっていましたが、30代後半に差し掛かろうかという今もたいして変わっていません。

一方、会社で独身男性を含んだグループと話をすると、たとえ仕事中であろうとなかろうと「結婚」というキーワードが端々に出てきます。
「結婚相談所に登録した方がいいと思うけど、なんか申し込めない」と言われても、内心は「知らんがな!」ですが、仏の顔をして聞いています。

 

先週、メンバー全員との目標面談を終えました。
目標面談では本人の一年間の目標を記載した一枚の紙を使います。
何を書いていいか分からない、とほぼ白紙で出してくる人もいれば、思いをめいっぱい詰め込んで記載内容が枠に入りきらなくて、という人もいました。

前者が「興味が薄い」人、後者が「結婚相談所に登録したいと悩む」人、と置き換えて考えるとその違いに愕然するとともに、その先に現れる大きな差に恐怖すらおぼえる、というのが面談を終えた今の正直な気持ちです。


「結婚できる/できない」*1がすぐに口に出てくる人は「結婚」を「大事な目標である」と考えていると推測されます。
達成すべき、達成したいと本人も強く望み、どうすればそれを達成できるのかが生活をしていてもふと頭をよぎり、実際に合コンへ行ったり、結婚相談所のホームページを開くという行動もしていることでしょう。


今回、これが「結婚」ではなく「会社が組織に求める目標」であったらどうかということを考えてしまったのです。
その人の等級に従って求められる目標を、メンバー自身が「達成すべき、達成したいと強く望み、どうしたら達成できるか生活をしていてもふと頭をよぎるくらい自分の中に浸透させていて、実際に達成計画を立てたり実行している」状態というのは、素晴らしいことではないか?と。

組織と個人の目標が一致する状態は理想ではありますが、難しいです。
たいていは個人が組織の目標に合わせに行っていることでしょう。
それでもなお、「書きたいことがありすぎて枠に収まりません!」という状態まで組織の目標を真剣に考え、納得しようと努力してきたメンバーは、きちんと計画をして実行まで持っていく力があるでしょう。
ここでは成否は問いません。
できた、できないの2択ではなく、
できた、できない、やらないの3択です。
実行した人にしか成功も失敗もできない、と偉人たちがそれぞれの言葉で残していますが、これ以上ないくらいの残酷な真実だなと思います。


管理者は、まずメンバーよりも組織の目標に責任を持ち、何が目的なのか、どう進めていきたいのかをきちんと理解し、納得できている必要があるでしょう。
ということで、面談前に会社の経営理念や中期計画などをひっくり返して読みだしてみたものの、付け焼刃感満載のままメンバーとの面談を終えてしまったのであります。
ああ反省。
来年は組織の目標からメンバーとともに一緒に考えたい、と心に誓ったことを一年後の私に向けここに記載しておきます。

 

*1:する/しないはあってもできる/できないで悩むのは違うように思っていますが